駅伝シーズンの中で繰り広げられる第107回日本選手権10000m。
その概要と出場選手、そして注目選手を今回の記事では紹介します。
第107回日本選手権10000mの概要
- 2023年12月10日(日) 男子は16:43スタート
- 国立競技場
- パリ2024オリンピック代表選考を兼ねている
- 男子のオリンピック参加標準記録は27分00秒00
今大会のキャッチコピーは「Chalenge25Laps」
選手の参加標準記録突破と自己記録更新を後押しするため、「Chalenge25Laps」というキャッチコピーのもと、今大会は様々な取組をしています。(25Lapsは25周という意味で、400m×25周で10000mを表しています。)
「10000mを10000人で応援しよう」と観客を盛り上げるためにスペシャルチケットが販売されています。
また、今回は電子ペーサー(ウェーブライト)が導入されます。
電子ペーサー(ウェーブライト)とは、400個のLEDを400mトラックに1mおきに配置し、決められたペースで発光していく機器だそうです。
これまではペースメーカーが設定タイムを刻み記録更新をサポートすることが主流でしたが、トラック競技では機械がペースを作る時代になりました。技術の進歩ってすごいです。電子ペーサーなら、ペースが乱れることなく、安定してラップを刻めるため、記録へチャレンジしやすいですね。
第107回日本陸上競技選手権10000m出場選手
こちらのPDFファイル(日本陸上競技連盟公式サイトより)をご覧ください。
今大会の注目選手 日本歴代記録TOP3
相澤 晃(旭化成)
優勝候補大本命。東洋大学4年時には、箱根駅伝2区日本人最高記録(1時間05分57秒)で、箱根駅伝の2区を初めて1時間05分台で走った日本人ランナーです。
10000mの日本記録保持者(27分18秒75)であり、前回の日本選手権10000mで優勝しています。現時点の日本最高のスピードランナーです。
大きいストライドで颯爽と走る姿が魅力です。自身のもつ日本記録、そして参加標準記録を破り、東京オリンピックに続く2大会連続のオリンピック代表になるか注目です。
伊藤 達彦(Honda)
相澤のライバルと言えば伊藤達彦。東京国際大学4年時には相澤とともに、箱根駅伝2区を走り、激しい争いを演じました。
社会人になっても、相澤と対戦することが多く、いつも2人で競っているイメージが強い人も多いでしょう。
10000mの自己ベストは27分25秒73の日本歴代3位。前回の日本選手権10000mでは相澤に次ぐ2位でした。
苦しい表情になってもペースをキープできる粘り強さが持ち味です。相澤とともに、2大会連続のオリンピック代表になれるか。
田澤 廉(トヨタ自動車)
昨年の駒澤大学3冠の立役者。社会人ルーキーとして今大会の10000mを走ります。
今年のブダペスト世界陸上では15位(28分25秒85)に入り、世界の舞台で戦う足がかりを作りました。10000mの自己ベストは27分23秒44で、日本歴代2位の記録です。
前傾姿勢の走りは日本人離れした走りで、大学時代は留学生ランナーと互角に競り合えることから「Ren Tazawa」と英語表記が話題になりました。それだけ、強く速い選手です。若さ溢れる思い切った走りで、初のオリンピック代表になれるか。
「花の2区」という共通点 「箱根から世界へ」
相澤、伊藤、田澤ともに箱根駅伝で2区を走っています。
これまで「花の2区」から多くの日本代表ランナーが誕生しており、各校のエースが集う「花の2区」を走ることは、世界で戦う切符を手にする力がある証です。
箱根駅伝のコンセプトである「箱根から世界へ」をこの3人は体現しているのです。
そして、この3人が同世代であることが奇跡です。
いつかは3人がマラソンを舞台に世界でしのぎを削る姿を陸上・駅伝ファンは想像しています。
そして、今回の日本選手権で得られるパリへの切符が、今後の世界で戦う切符となることは間違いないです。3人が参加標準記録を突破することを期待したいです。
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