日本高校野球連盟(高野連)は、夏の猛暑などから選手の安全を守るために、高校野球の試合を9イニング制から7イニング制に変更することを検討しています。
この変更は、選手の健康を保護し、試合時間を短縮することで暑さ対策を強化する目的がありますが、みなさんはどう思いますか?
「選手(生徒)を守るためなら、当然導入すべき」
「野球は9イニング、これまでの伝統がある」
おおむね、この2つの意見で議論が沸騰しそうです。
今回は高校野球7イニング制導入の理由や影響、そして私自身の考えをまとめていきます。
高校野球を7イニング制の理由
選手の健康を保護
7イニング制導入の1番の理由は、選手の健康を保護するためです。
例年、夏の猛暑は厳しさを増しており、熱中症リスクを軽減するのが7イニング制導入の柱になります。
また、投手の肩や肘の負担を減らし、選手の長期的な健康を守る観点もあります。
試合時間の短縮
試合時間を短縮することで、選手や観客の暑さ対策を強化できます。
甲子園には毎年、たくさんの観客が来場します。
7イニング制にして試合時間を短縮することで、観客の健康も守るねらいがあります。
国際基準への適合
海外の高校生年代の試合や国際大会では既に7イニング制が採用されています。
そのため、日本の高校野球もこれに合わせることで国際基準に適合させる意図があります。
7イニング制に変更することの影響
7イニング制への変更は、高校野球の試合の流れに以下のような影響を与える可能性があります。
戦略の変化
チームは限られたイニング数でより効率的に得点を重ねる必要が出てくるため、攻撃的な戦略が増える可能性があります。
「打者が一巡するまでは、相手投手のボールをじっくり見ていこう」「球数を投げさせよう」などの戦略はなくなりそうです。
投手の起用法も変わり、先発投手の完投機会が増える一方で、中継ぎ投手の役割が縮小する可能性があります。
逆転の機会の減少
8回、9回といった終盤での逆転劇が減少し、試合展開が単調になる可能性があります。
高校野球では8回、9回に数々のドラマがありました。
試合終盤までを視野に入れた試合運びが野球の醍醐味に思いますが……。
選手の出場機会への影響
イニング数の減少により、控え選手の出場機会が減る可能性があります。
下位の打順の選手は1試合に2打席しか立てない試合も多くなりそうです。
試合のテンポ変化
試合時間の短縮により、より緊迫感のある展開が期待できます。
一方で、選手たちは限られた時間内でより集中力を保つ必要があります。
投手の負担軽減
投球数の減少により、投手の肩や肘への負担が軽減されます。
長期的な選手の健康保護につながります。
得点パターンの変化
序盤からの得点の重要性が増し、初回からの積極的な攻撃が増える可能性があります。
イニング数が少なくなるため、大量失点はより試合を決定づけやすくなります。
監督の采配の変化
限られたイニング数で最大の効果を得るため、選手交代やバント、盗塁などの戦術的采配がより重要になります。
高校野球7イニング制導入について思うこと
たしかに選手の健康は心配だが……
選手の健康第一はもちろん大切です。
これまでに球数制限、延長タイブレーク方式、クーリングタイムを導入し、選手の健康を守ってきました。
もう少し、これらの対策の検討をする時間が必要なように思います。
ここ10年であまりにも高校野球が変化し過ぎているように私は感じます。
一度、立ち止まりませんか?
野球の醍醐味はやはり9回
そして、高校野球の7イニング制導入は、野球の醍醐味そのものを消滅させる気がします。
例えば、高校サッカーは40分ハーフです。
「選手の健康を守るため30分ハーフを導入します」となったら、きっと「サッカーじゃなくなる!」「もっとプレーしたい!」という意見が噴出すると思います。
7イニング制と同様に、試合展開や選手起用も変わるでしょうね。
また、マラソンは42.195kmという距離です。
「選手の健康を守るために、42.195kmを40kmにします」となったら、「走りがいがない!」「残りの2.195kmを走り切るために練習しているのに」「これまでの自己ベストもくそもない」など、反対意見しかないでしょう。
野球も9イニングだからこその醍醐味があります。
「やる選手のことを本当に考えている?」
「選手の声を聞いた?」
というのが私の正直な思いです。
もっと野球がしたいんじゃないかなぁ。
一打席でも多く打ちたいんじゃないかな。
もっと夏を味わっていたいんじゃないかなぁ。
と思うのは私だけでしょうか?
野球は9イニングがちょうどいい長さ
そもそも野球は9イニング。
9イニングだからこそ楽しいのです。
例えば打者の場合は、9イニング出場すれば、誰でも3打席は回ってきます。
野球をやっている人(やっていた人)は、とにかく1打席でもバッターボックスに立ちたいと思っているはずです。
マウンドを誰にも譲らず9回を投げ切る先発投手の達成感も、継投でつないで逃げ切るブルペンの一体感も野球が9イニングだからこそ。
10でも、8でも、7でもない。9がちょうどいい。
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