パリオリンピックの選考レースでもある大阪マラソン2024。今回は大阪マラソン2024の注目ポイントを紹介します。
以下の記事も参考にご覧ください。
大阪マラソン2024とは?
大阪マラソンは2011年に第1回が開催された比較的新しいマラソンです。東京マラソンと同様に市民ランナーも参加し、毎年約3万人が走る大規模なマラソンです。
そして、今回の大阪マラソン2024はMGCファイナルチャレンジに該当する大会です。
MGCファイナルチャレンジとは?
「マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ(MGCファイナルチャレンジ)」は、MGCレース後に開催するマラソン日本代表選考レースです。当該大会において、MGCファイナルチャレンジ設定記録を突破した記録最上位の選手1名が、パリオリンピック日本代表に内定します。ただし、MGCチャレンジに出場(完走)、または、2023年度開催のMGC出場資格を有する者を条件となります。該当する選手がいない場合は、MGC3位の選手が、パリオリンピック日本代表に内定します。
MGCファイナルチャレンジに該当する大会は3つあり、
- 福岡国際マラソン2023(2023年12月3日)
- 大阪マラソン2024(2024年2月25日)
- 東京マラソン2024(2024年3月3日)
です。
期日
2024年2月25日(日)
9:15スタート
NHKで放送予定
コース
スタート:大阪府庁前
ゴール:大阪城公園内
昨年度大阪マラソン2023の結果
H.キロス(エチオピア) 2時間06分01秒
V.キプランガット(ウガンダ) 2時間06分03秒
A.シンブ(タンザニア) 2時間06分37秒
C.K.カマウ(NTN) 2時間06分42秒
S.モコカ(南アフリカ) 2時間06分42秒
西山 和弥(トヨタ自動車) 2時間06分45秒
池田 耀平(Kao) 2時間06分57秒
大塚 祥平(九電工) 2時間06分57秒
昨年の大会では、2時間06分台のランナーが続出しました。西山和弥選手が初マラソン日本新記録を樹立。世界選手権に出場しました。好タイムを出せる高速コースであり、海外勢も強く、速いランナーがそろいますので、タイムを狙うにはうってつけの大会です。
大阪マラソン2024の主な出場選手
大阪マラソン2024の海外招待選手
- スティーブン・キッサ(ウガンダ) 2時間04分48秒
- アデラドリュー・マモ(エチオピア)2時間05分12秒
- イフニリグ・アダン(エチオピア) 2時間05分53秒
- キプケモイ・キプルノ(ケニア) 2時間06分45秒
- ケマル・フセン(エチオピア) 2時間06分52秒
- イリアス・アオアニ(イタリア) 2時間07分26秒
- 丰配友(中国) 2時間08分07秒
- 董国健(中国) 2時間08分28秒
- テベロ・ラマコンゴアナ(レソト) 2時間09分57秒
大阪マラソン2024の国内招待選手
- 土方 英和(旭化成) 2時間06分26秒
- 髙久 龍(ヤクルト) 2時間06分45秒
- 井上 大仁(三菱重工)2時間06分47秒 ※欠場
- 大塚 祥平(九電工) 2時間06分57秒
- ヴィンセント・ライモイ(スズキ)2時間07分01秒
- 吉田 祐也(GMOインターネットグループ)2時間07分05秒
- 聞谷 賢人(トヨタ紡績)2時間07分26秒
- 川内 優輝(・あいおいニッセイ同和損害保険)2時間07分27秒 ※欠場
- 吉岡 幸輝(中央発條)2時間07分28秒
- 小山 直城(Honda)2時間07分40秒
その他にエリートランナーとして出場するランナーもいます。
数が多いので大会公式サイトのPDFをご覧ください。
ランナーの名前を見ると、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)並みのメンバーがそろっていてワクワクします。2時間6分・7分台がこんなにもいるのかという感じで、タイムの期待が高まります。
大阪マラソン2024の注目ポイント
現在パリオリンピック男子マラソン日本代表に内定しているのは、MGCで1位の小山直城選手(Honda)、2位の赤﨑暁選手(九電工)の2名で、3位の大迫傑選手(Nike)が次点です。
MGCファイナルチャレンジでの設定タイムは2時間05分50秒です。設定タイムを切った最上位の選手が3人目のパリオリンピック代表に内定します。
この設定タイムを切る選手が現れるかが一つの注目ポイントです。
設定タイムを切るためには以下の4点がポイントです。
大阪マラソン2024注目ポイント1:安定したペースメイク
設定タイムを切るためには、ペースメーカーによる安定したペースメイクが重要です。
設定タイムである2時間05分50秒を切るためには、1km2分59秒を切るペースで走り続けることが求められます。また、タイムを狙ったレースでは1km毎、5km毎のラップタイムの重要度が増します。設定タイムのペース配分は以下になります。
1km 2分59秒
5km 14分55秒
10km 29分50秒
15km 44分45秒
20km 59分40秒
25km 1時間14分35秒
30km 1時間29分30秒
35km 1時間44分25秒
40km 1時間59分20秒
(残り2.195kmを6分20秒)
ゴール 2時間05分40秒
「1km3分ペース」という言葉をよく聞きますが、そのペースで走り切った場合は2時間06分35秒のタイムになります。つまり、1km3分ペースでは設定タイムに届きません。
1kmを3分を切るペースで安定したレース運びが設定タイムを切るには不可欠です。
※今回の日本人ペースメーカーは林田洋翔選手(三菱重工)とYoutuberで私も大好きな小林歩選手(NTT西日本)のスピードランナーです。頼もしいペースメーカーで安心しました。
大阪マラソン2024注目ポイント2:大胆に攻めるレースができるか
先日の大阪国際女子マラソン2024では前田穂南選手(天満屋)が中間点過ぎでペースメーカーより前に出て走り、攻めの走りを見せました。
中盤に1kmのラップタイムを稼ぎ、終盤はペースダウンを最小限にとどめる粘りの走りはタイムを狙うレース運びとしてとてもお手本になったと思います。
そして、前田穂南は前半よりも後半の方が速い「ネガティブスピリット」で記録を達成しています。勇気をもって、自分を信じて大胆に攻める走りができるかに注目です。
大阪マラソン2024注目ポイント3:高速コース
スタート直後は下り基調です。最初の5kmをリズムよく走り、流れに乗りたいところです。15kmは小さなアップダウンを繰り返すので、前半はリズムを崩さないことがポイントになります。
そして一番の難所は32km付近にある高低差20mの坂です。ロングスパートをするならば、この辺りになりそうです。
コース全体的には平坦なコースで直線の部分も多いのでハイペースでレースが進み、記録が期待できます。
大阪マラソン2024注目ポイント4:当日の気候コンディションは?
大会当日の気候コンディションは記録を左右する重要な要素です。
前田穂南選手(天満屋)が日本新記録を出した時は、レース後半に雨が降ったり、向かい風が強い所では想定よりも弱い風だったりと、記録を後押しする気候コンディションになりました。
こればかりは悪くならないことを祈るしかありません。
大阪マラソン2024の注目選手
多くの有力ランナーが出場しますが、私の期待も込めた注目選手を紹介します。
大塚 祥平(九電工)
スポーツ報知より
自己ベストを記録したのは昨年の大阪マラソン。昨年のMGCでは8位、東京オリンピックのMGCでは4位と、安定感抜群なのが大塚祥平選手の特徴です。腕を少し下げ気味の独特のフォームで、推進力がありブレのない走りができます。このフォームが安定感をもたらしています。
30km以降でしっかりと勝負できるように粘り強く走ってほしいです。年齢も29歳で一番脂がのっている時期なので、オリンピックに出場してほしい願いがあります。
吉田 祐也(GMOインターネットグループ)
スポーツ報知より
福岡国際マラソンで優勝経験もあり、10000m27分台をコンスタントに記録している吉田祐也選手。
設定タイム、あるいは日本新記録を出すスピードは充分にあります。
MGCは50位と惨敗でした。ピークが当日に合い、本来の力強い走りができれば、一番強く速いと思います。
26歳という年齢はオリンピックに出場するにはイイ年齢です。
母校の青山学院大学は箱根駅伝で優勝。別府大分毎日マラソンでは青山学院大学の卒業生・GMOインターネットグループの仲間(下田裕太選手、岸本大紀選手)が大活躍でした。
この流れに乗った走りをしたいです。
中村 匠吾(富士通)
スポーツ報知より
東京オリンピック男子マラソン代表が今回の大阪マラソンに出場をします。2大会連続のオリンピック出場をこの大阪マラソンに懸けます。
ニューイヤー駅伝では最終7区11位で、少しずつ復調してきている感じがあります。
中村匠吾選手の武器はロングスパート。長い距離を何段階もスパートできるのが魅力です。箱根駅伝や東京オリンピックMGCで見せたロングスパートができる状態にまで仕上がっているかに注目して見ていきたいです。
太田 蒼生(青山学院大学)
スポーツ報知より
第100回箱根駅伝第3区区間賞、優勝の立役者。この第3区を60分切って走ったのは二人目で、世界レベルの走りと言われています(一人目は箱根駅伝ファンにはお馴染みのヴィンセントです)。単純に比較はできませんが、ハーフマラソンの日本記録を破る走りでした。
オーバーペースなのでは?と思うくらいに突っ込んで駒澤大学の佐藤圭太選手に追いつき、さらに突き放す走りは圧巻でした。
走り方がロード向きなのでマラソンの適性があります。箱根駅伝ではドンピシャでピークを合わせてきますが、大阪マラソンではどうでしょうか?
楽しみです!
平林 清澄(國學院大学)
スポーツ報知より
國學院大学のエース。第100回箱根駅伝では第2区3位で、1時間06分26秒というタイムは立派でした。ハーフマラソンの自己ベストも時間01分50秒でロードの適性があります。
駅伝では前を追う展開が多いですが、積極的に攻める走りが持ち味です。マラソンは一斉スタートなので、上手に集団についていき、30kmまでいけば好タイムが期待できます。
私の推しの選手なので楽しみしかありません!
女子マラソンの流れに続くか男子マラソン!
前田穂南選手の日本新記録は多くのランナーを勇気づけたと思います。海外のタイムをバリバリに狙ったレースではなく、国内レースでの日本新記録ですから、多くのランナーは「自分もできるかも!」と思ったに違いありません。
ちなみに鈴木健吾選手(富士通)の男子マラソン日本記録2時間04分56秒も国内(びわ湖・2021年)で達成されています。
どのランナーにもチャンスはあります!
楽しみなメンバーがそろったので、すごくすごく期待しています!
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