毎年年末に開催される全国高校駅伝。都大路と呼ばれるこの駅伝は、多くのオリンピック選手を輩出してきました。
東京オリンピック代表の新谷仁美選手も出場しました(現在も第1区の区間記録保持者です)。
この記事では、女子第35回全国高校駅伝の優勝候補と注目選手を紹介します。
全国高校駅伝(2023)について
- 日時:令和5年12月24日(日)
- スタート時刻:女子10時20分 男子12時30分
- 各都道府県代表の47チーム対抗 (女子は地区大会の順位から参加あり)
- 8位まで入賞
- NHK総合で放送
全国高校駅伝の区間
男子 42.195km 7区間
- 第1区 10km(たけびしスタジアム京都~烏丸鞍馬口
- 第2区 3km(烏丸鞍馬口~丸太町河原町)
- 第3区 8.1075km(丸太町河原町~国際会館前)
- 第4区 8.0875km(国際会館前~丸太町寺町)
- 第5区 3km(丸太町寺町~烏丸紫明)
- 第6区 5km(烏丸紫明~西大路下立売)
- 第7区 5km(西大路下立売~たけびしスタジアム京都
女子 21.0975km 5区間
- 第1区 6km(たけびしスタジアム京都~衣笠校前)
- 第2区 4.0975km(衣笠校前~烏丸鞍馬口)
- 第3区 3km(烏丸鞍馬口~室町小学校前折返し~北大路船岡山)
- 第4区 3km(北大路船岡山~西大路下立売)
- 第5区 5km(西大路下立売~たけびしスタジアム京都)
ここからは女子のみの情報です。
男子の情報は以下を見てください。
第35回全国高校駅伝(2023)の出場校
本年度は、女子第35回記念大会のため、女子出場校は地区代表校(11校)が加わっています。地区代表校は、地区大会において都道府県代表校を除く上位入賞校1校です。
- 北海道 旭川龍谷 12年連続12回目
- 青森 青森山田 31年連続31回目
- 岩手 花巻東 2年連続14回目
- 宮城 仙台育英 32年連続32回目
- 秋田 大曲 3年連続9回目
- 山形 山形城北 2年連続31回目
- 福島 学法石川 11年連続11回目
- 茨城 茨城キリスト 4年連続26回目
- 栃木 宇都宮文星女 4年連続6回目
- 群馬 常磐 6年連続23回目
- 埼玉 埼玉栄 2年ぶり27回目
- 千葉 市船橋 8年ぶり20回目
- 東京 錦城学園 3年ぶり4回目
- 神奈川 白鵬女 3年連続16回目
- 山梨 山梨学院 15年連続23回目
- 新潟 新潟明訓 3年ぶり10回目
- 長野 長野東 17年連続17回目
- 富山 富山中部 初出場
- 石川 遊学館 2年ぶり15回目
- 福井 鯖江 5年連続9回目
- 静岡 浜松市立 2年ぶり2回目
- 愛知 豊川 2年連続14回目
- 三重 鈴鹿 2年連続2回目
- 岐阜 美濃加茂 4年連続4回目
- 滋賀 比叡山 11年連続13回目
- 京都 立命館宇治 35年連続35回目
- 大阪 薫英女学院 18年連続18回目
- 兵庫 須磨学園 2年ぶり27回目
- 奈良 智辯カレッジ 7年連続7回目
- 和歌山 和歌山北 4年ぶり4回目
- 鳥取 鳥取城北 5年連続6回目
- 島根 益田東 初出場
- 岡山 興譲館 25年連続25回目
- 広島 世羅 18年連続18回目
- 山口 西京 7年連続32回目
- 香川 四学香川西 3年連続5回目
- 徳島 鳴門 4年ぶり18回目
- 愛媛 八幡浜 17年連続17回目
- 高知 山田 35年連続35回目
- 福岡 北九州市立 2年ぶり12回目
- 佐賀 佐賀清和 5年ぶり7回目
- 長崎 諫早 5年連続29回目
- 大分 大分東明 9年連続11回目
- 熊本 ルーテル学院 2年連続3回目
- 宮崎 小林 5年連続22回目
- 鹿児島 神村学園 8年連続30回目
- 沖縄 北山 3年連続7回目
- 北海道地区 札幌創成 初出場
- 東北地区 盛岡誠桜 2年ぶり16回目
- 北関東地区 水城 4年ぶり4回目
- 南関東地区 東海大相模 初出場
- 北信越地区 帝京長岡 初出場
- 東海地区 豊田大谷 初出場
- 近畿地区 東大阪大敬愛 初出場
- 中国地区 銀河学院 初出場
- 四国地区 高松工芸 3年ぶり6回目
- 北九州地区 筑紫女学園 2年連続28回目
- 南九州地区 千原台 2年ぶり23回目
女子第35回全国高校駅伝(2023)の優勝候補
各地区大会の優勝校
- 東北地区 青森山田(青森)
- 関東地区 白鵬女(神奈川)
- 北信越地区 長野東(長野)
- 東海地区 豊田大谷(愛知)
- 近畿地区 立命館宇治(京都)
- 四国地区 鳴門(徳島)
- 中国地区 銀河学院(広島)
- 九州地区 神村学園(鹿児島)
都道府県・地区大会の記録
続いて、都道府県・地区大会の記録です。
- 1時間07分38秒 神村学園(鹿児島) 鹿児島県大会①
- 1時間07分49秒 仙台育英(宮城) 宮城県大会①
- 1時間09分13秒 立命館宇治(京都) 近畿大会①
- 1時間09分23秒 青森山田(青森) 青森県大会①
- 1時間09分35秒 薫英女学院(大阪) 大阪府大会①
- 1時間09分44秒 豊田大谷(東海/愛知) 東海大会①
- 1時間09分52秒 長野東(長野) 北信越大会①
- 1時間10分10秒 須磨学園(兵庫) 近畿大会③
- 1時間10分14秒 銀河学院(中国/広島) 中国大会①
- 1時間10分16秒 世 羅(広島) 広島県大会①
前回の雪辱を、仙台育英
昨年度の大会では最終5区で逆転を許して2位となり、2連覇を逃した仙台育英。3000m9分30秒切りが10人以上いる選手層が持ち味です。1年生から3年生までどの世代も強いです。1時間07分台で予選を通過したのも納得です。こうなると、区間配置が悩ましいです。
昨年度の大会で第2区を走ったジェロップ(2年)をどの区間に配置するかで、他のメンバーの配置が変わります。橘山莉乃(3年)、細川あおい(2年)、磯陽向(1年)の各世代のエースが好調であれば、優勝はかなり近いです(他にも紹介したいメンバーが…)。
今度こそは、神村学園
エースのカロライン(3年)が絶対的な存在。昨年度の大会では、最終区5区に出走し、順位を6位から3位に押し上げました。今大会も5区に出走するのではないかと思います。
カロラインにどのように繋ぐかが神村学園の生命線になりそうです。小倉陽菜(2年)、黒神璃菜(2年)の2人で1区、2区を固めそうですが、序盤で良い流れが作れれば、勝機ありです。
前回初優勝、連覇に挑む長野東
昨年度は最終5区で仙台育英を逆転し、初優勝を飾りました。個々の持ちタイムでは劣っていたものの、各区間で粘りの走りを見せ、常に上位で戦っていました。持ちタイムはあくまでも参考であることを証明しました。
インターハイ3000m10位の窪田舞(2年)、3000m9分15秒73の名和夏乃子(3年)を中心に、昨年に似たような戦いができるかが連覇のポイントです。
昨年4位の立命館宇治
インターハイ3000m9位の山本釉未(3年)は3000m9分07秒90の自己ベストをもっており、昨年度の大会では第1区で3位の実績があります。池田悠音(3年)も9分15秒76、インターハイ1500m入賞の大西桃花(2年)は9分11秒78とハイレベルな選手が揃っており、この3人以外の9分30秒切りも数名いるため、仙台育英に次ぐ選手層の厚さがあると思います。
区間配置が難しいですが、都大路は地元であり、地の利を生かせるのが立命館宇治の強みです。コースと選手の適性を見極めて区間配置できれば、優勝の可能性大です。
仙台育英と神村学園の2強に、立命館宇治
予選のタイムとエースの力では仙台育英と神村学園の2強ですが、立命館宇治も負けていません。
女子の高校駅伝は5区間と、比較的短い距離での駅伝です。この場合、スピードと序盤で流れに乗ることが重要です。
スピードでグングンと加速するような走りが距離が短めの3・4区では求められます。距離が短いからこそ5秒、10秒の差が大きく、最終5区の走りに大きく影響します。5区での逆転を狙っている高校は、3・4区をいかにミスなく走るかがポイントです。
そして、1区が良い流れを作れるかもポイントです。短い距離の駅伝ほど、1区の出遅れは厳禁です。優勝を狙う高校は1区を先頭と10秒以内で終え、上位争いをしていきたいところです。
1区から5区までミスなく襷(たすき)を繋ぎ、良い流れで走ることが優勝のポイントです。
女子第35回全国高校駅伝(2023)の注目選手
橘山莉乃(仙台育英3年宮城)
選手層の厚い仙台育英の中でキーマンとなる選手だと思います。インターハイでは3000m11位(日本人7位)の結果を残し、東日本女子駅伝では宮城県代表として第6区を走り、優勝を決定付ける走りをしました。宮城県予選では第2区で区間賞でした。実績があり、どの区間でも走れる安定感があります。どの区間を走るかが注目です。
カリバ・カロライン(神村学園3年鹿児島)
インターハイ1500m&3000m2冠2連覇の最強留学生です。昨年度の第5区の追い上げは脅威でした。駅伝好きの私からすると、東京国際大学卒のヴィンセントを思い出します。グングンとスピードが上がって抜き去っていく姿が似ています。最後の都大路で、どんな走りを見せるかが楽しみです。
山本釉未(立命館宇治3年京都)
立命館宇治のエース。ラストスパートに定評があり、社会人・大学生に負けない素晴らしいラストを見せる選手です。前述したように、昨年度は第1区で3位と好走しました。インターハイでも結果(3000m9位)を残しており、実績と実力は抜群です。おそらく第1区に配置されると思いますが、最終5区を走るのもありかと思います。
いかがでしたか?
昨年同様、最終区まで優勝争いがもつれる可能性は大きいと見ています。選手にはプレッシャーがかかると思いますが、乗り越えてほしいです。
そして、地元の高校の応援はもちろん、将来の日本距離界を担う選手にも注目して観戦しましょう。
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