2時間06分18秒
「かつての日本記録・高岡寿成(現・Kao監督)の記録(2時間6分16秒)と変わらないじゃん・・・!」
衝撃の初マラソン日本最高記録&日本学生マラソン記録を達成した平林清登選手。
私(マー)の激推しの選手です。
今回は、平林選手の魅力と大阪マラソン2024の走りについて解説していきます。
これを読むと平林選手の凄さと今後のマラソン界への期待が膨らみます!
少しばかりマラソン界を先読みしていきましょう!
男子1位🥇#平林清澄(國學院大學)2時間06分18秒
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初マラソンで初優勝🎉
初マラソン日本最高と日本学生記録更新👏👏👏
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— JMCシリーズ (@jmc_series) February 25, 2024
大阪マラソン2024のダイジェスト
ペースメーカーの設定タイムは1km2分57秒、5km14分45秒、2時間05分台前半を狙うペース
・スタート
雨が上り、路面に水たまり残る中スタート
・1km
先頭集団3分02秒で通過。下り基調にしてはゆっくりめのペースで1km入る。
・5km
先頭14分53秒。まずまずのタイムで5kmを通過。
・10km
小雨が降る中、先頭集団はこの5kmを14分49秒。設定タイム通りのタイムで通過。土方選手、大塚選手、吉田選手、小山選手、中村選手、平林選手などの有力選手は先頭集団の中に。
・15km 44分32秒
リズム、ペースともによくこの5kmを14分48秒。2時間04分台も狙えるペース。
ペースメーカーの林田選手、小林選手、サイモン選手が上手に引っ張っている。
・20km 59分25秒(14分55秒)
この時点でフィニッシュ予想は2時間05分37秒。
・中間 1時間02分46秒
・25km 1時間14分27秒(15分02秒)
設定タイムよりペースダウン。ペースメーカーの林田選手、小林選手が外れ、少しずつ動きが見え始める。25km~26kmで3分04秒ほどかかる。北よりの向かい風の影響を受ける。
ここからペース上げ、落ち込みを防げるかが設定タイムを超えるポイントとなる。
・30km 1時間29分51秒 (15分24秒)
この間の5km15分24秒とパリオリンピック代表設定タイム(2時間05分50秒)から大きく遅れる。
小山選手がペースアップ、それを追いかける平林選手。
平林選手がスパート!キッサ選手と並走。
・35km 1時間44分31秒(平林選手)
吉田選手、小山選手、土井選手の3選手が先頭集団の二人を追いかける。
・残り5km
平林選手の表情が険しくなり、1kmのラップも3分02秒に。
吉田選手、小山選手、土井選手と先頭の二人の差は24秒。3人で必死に追いかける。
・40km 1時間59分40秒(平林選手)
平林選手 この5km15分08秒。初マラソンにしてこのラップタイムはすごい。
吉田選手、小山選手も粘りの走りで先頭を追いかける。
・ゴール
平林選手 2時間06分18秒の初マラソン日本最高記録&マラソン学生新記録。
小山選手、吉田選手、土井選手、自己ベスト更新。
パリオリンピック代表に内定している小山直城選手(Honda)はさすがの走りで自己ベスト更新。
冷静なレース運び、位置取り、MGCでも見せた他選手を観察する余裕、給水の上手さ、そして、勝ち切る「強さ」に「速さ」が加わってきた印象を受けました。
世界と戦う準備が整ってきています。
初マラソン日本最高記録を樹立した平林清登とは?
スポーツ報知より
高校時代は無名の選手
高校は福井県の美方高校。
高校入学当初、チーム内では下から数えた方が早いというレベルで、無名の選手でした。
1年生で箱根駅伝出場、日本学生ハーフマラソンで優勝
平林選手は國學院大学入学後、大学三大駅伝に全てに出場しています。
1年生の時には、箱根駅伝9区を走り、区間2位の成績でした。
その後の日本学生ハーフマラソンでは1年生ながら1時間01分50秒の自己ベストで優勝し、ハーフマラソン学生チャンピオンになりました。
この頃からすでにロードレースに強さがありました。
私はこのレースで平林選手の大ファンになりました。
國學院大学のエース
その後の平林選手は箱根駅伝で2年連続で「花の2区」を走ります。
2年生の時は1時間07分32秒で区間7位、
3年生の時は1時間06分26秒で区間3位で走り、
國學院大学のエースとして活躍中です。
昨年の第55回全日本大学駅伝7区では区間賞を獲得しており、大学長距離界のエースでもあります。
平林清登の魅力
ロードに強い!
先にも述べたように、大学1年生の時にはハーフマラソン学生チャンピオンに輝いており、駅伝でも結果を残しています。
長い距離に対してレースプランをしっかりともって走り、ギアの入れ所、勝負所を考えて走っています。
駅伝では、タスキをもらった位置や前方の選手との距離を観察しながら、自分の力を発揮することに長けています。
向上心が強い!
第100回箱根駅伝では、第2区1時間06分26秒(区間3位)という立派な成績ながら、
「弱え…、また鍛えなおそう。」
と吐き捨て、好成績にも自分を鍛え直すことを誓う向上心の強さがあります。
タイム的には満足ですというコメントでもよいのですが、常に高みを目指している謙虚な姿が多くの人々を惹きつけます。
大阪マラソン2024での平林清登
大学3年生での学生新記録&初マラソン日本最高記録
大学3年生でマラソンにチャレンジすることはなかなか無いです。練習が積めていればチャレンジしてみよう!ぐらいですが、おそらく今回の平林選手はかなり入念に準備をしてきたと思います。
箱根駅伝以降も練習の質と量をキープして初マラソンに臨みました。
学生新記録どころか、初マラソン日本最高記録まで更新。
かつて、藤田敦史(現・駒澤大学監督)さんが大学4年時にびわ湖毎日マラソンで学生新記録を樹立、
藤原正和(現・中央大学監督)さんは大学4年時にびわ湖毎日マラソンで初マラソン日本最高記録を更新しましたが、
2つを同時に達成したということになります。
初マラソンで2時間06分18秒は衝撃的なタイムです。
30km以降のレース展開がすごかった!
30km以降、パリオリンピック代表の小山直城選手に挑む姿勢を見せました。
そして、キッサ選手(ウガンダ)と一騎打ちになった時には、後ろに付かず前に出て突き離そうとするレースプランを選択しました。
果敢に攻めていく姿勢が素晴らしく、駅伝を走る時と同じように自分でペースとレースをコントロールしていました。
特に32km〜34kmのペースアップが見事。
- 32km~33km 2分56秒
- 33km~34km 2分51秒
この区間でペースアップできるか、できないかはフィニッシュタイムに大きく影響しますが、初マラソンでそれをやってのけたのは、普段の練習の積み重ねができているからです。
勝負に徹しながらもタイムが付いてくる理想のレース運びができました。
箱根駅伝から約2か月後のマラソン
今回の「2時間06分18秒」の凄さはまだあります。
それは箱根駅伝から約2か月後のマラソンでの記録ということ。
箱根駅伝からマラソンにチャレンジする学生は毎年いるほどになりました。
「箱根から世界へ」
という箱根駅伝のコンセプトを体現する学生、そして大学の指導者が増えている傾向にあります。
ただ、2時間06分台を誰が想像できたでしょうか?
冒頭で述べたように、「高岡寿成」の記録ですよ?
シューズやトレーニング方法が進化しているとはいえ、驚きです。
そして、箱根駅伝2区を1時間06分台で走り、ほぼフルパワーで走った2か月後のマラソンで2時間06分台。
価値がありまくりです。
長距離走で世界を目指す学生ランナーに新しい指標ができたように思います。
今後の平林清登への期待
個人的に平林選手に期待したいのは、
- インカレハーフマラソンでの優勝
- 箱根駅伝2区区間新記録&区間賞+國學院大学の活躍
- 2025東京世界陸上マラソン代表&メダル
これからも注目して見ていきたいですね。
平林選手と同学年に、太田蒼生選手(青山学院大学)、篠原倖太朗(駒澤大学)がいます。平林選手の衝撃タイムは二人にも大きな刺激を与えたことは間違いないでしょう。
この3人にはこれからも目が離せないです。いつかは3人で日の丸を背負ってマラソンを走ってほしいです。
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