市民マラソンとして定着しつつある東京マラソン。今では世界のメジャー大会の一つにもなるほどに規模を拡大しました。
そして、東京マラソン2024は豪華な招待選手が集まり、世界記録・日本記録更新の可能性が高い大会になりそうです。
高速コースとして知られている東京マラソン。
この記事では、東京マラソン2024の見どころと注目選手を紹介していきます。
東京マラソン2024とは?
東京マラソンの価値
東京マラソンは2007年から開催される毎年約4万人が参加する国内屈指の市民マラソンです。エリートランナーも市民ランナーも一度は参加してみたい憧れのマラソン大会です。
東京マラソン2024では「東京がひとつになる日。」というスローガンを掲げ、ランナー・スタッフ・ボランティア、沿道で応援する人達が安全・安心に参加できるマラソン大会の開催を目指しています。
また、アボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)に該当する大会になっており、世界規模でも権威のあるマラソン大会です。
マラソンの成績をポイント化してランク付けをし、1年間のトータルランク上位のランナーには賞金が与えられるシステムになっています。
東京マラソン2024の日程
- 2024年3月3日(日) 9時10分スタート
- 日本テレビ系で放映
東京マラソン2024のコース
大会公式サイトより
5kmまでは下り基調です。カーブは多めですが、直線的な箇所も多いです。折り返しが2か所と少ないのでタイムロスもしにくいです。国内のマラソン大会では一番タイムが出やすいコースです。
東京マラソン2024の出場選手
東京マラソン2024の海外招待選手
- エリウド・キプチョゲ(ケニア) 2時間01分09秒
- ヴィンセント・キプケモイ・ゲティッチ(ケニア) 2時間03分13秒
- ティモシー・キプラガト(ケニア) 2時間03分50秒
- ベンソン・キプルト(ケニア) 2時間04分02秒
- ハイレマリアム・キロス(エチオピア)2時間04分41秒
- アンドゥアレム・ビライ(エチオピア) 2時間04分44秒
- ツェガエ・ゲタチョウ(エチオピア)2時間04分49秒
- チャル・デソ(エチオピア)2時間04分53秒
- ビクター・キプランガット(ウガンダ)2時間05分09秒
なんと豪華な海外招待選手!ほとんどの海外招待選手が日本記録2時間04分56秒を上回っています。タイムを狙う日本人ランナーからすれば、ありがたい存在です。
東京マラソン2024で世界記録2時間0分35秒が更新されたらビッグニュースですね!
東京マラソン2024の国内招待選手
- 鈴木 健吾(富士通)2時間04分56秒
- 山下 一貴(三菱重工)2時間05分51秒
- 其田 健也(JR東日本)2時間05分59秒
- 細谷 恭平(黒崎播磨)2時間06分35秒
- 西山 和弥(トヨタ自動車)2時間06分45秒
- 池田 耀平(Kao)2時間06分53秒
国内招待選手も駅伝・マラソンではおなじみの豪華なメンバーがそろいました。ファンにとってはたまらないメンバーです。
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は日本人ランナーの実力者しかそろわない大会ですが、東京マラソンは海外勢も日本勢も豪華なため、記録更新の期待が高まりますね!
東京マラソン2024の見どころ
MGCファイナルチャレンジ、記録に期待!
一つ目の見どころは、記録への期待です。MGCファイナルチャレンジの設定タイム2時間05分50秒にも注目が集まりますが、私は日本記録の更新も十分に可能性があると見ています。設定タイムと日本記録の2つの記録に注目して東京マラソン2024を見てほしいです!
MGCファイナルチャレンジに該当する大会は3つです。この3大会で設定タイムの2時間05分50秒以内に走ることがパリオリンピック出場内定の条件になります。
- 福岡国際マラソン2023(2023年12月3日)
- 大阪マラソン2024(2024年2月25日)
- 東京マラソン2024(2024年3月3日)
大阪マラソン2024の見どころも紹介していますので、こちらの記事もご覧ください。
設定タイム2時間05分50秒をターゲットにしたラップタイム
まずはMGCファイナルチャレンジの設定タイム2時間05分50秒についてです。1km2分59秒のラップタイムを刻んでいく必要があります。
1km 2分59秒
5km 14分55秒
10km 29分50秒
15km 44分45秒
20km 59分40秒
25km 1時間14分35秒
30km 1時間29分30秒
35km 1時間44分25秒
40km 1時間59分20秒
(残り2.195kmを6分20秒で)
ゴール 2時間05分40秒
ラップタイムを見ると、設定タイムを切る力をもっている日本人ランナーは多くいると私は思います。それだけ日本人ランナーのレベルが向上しているからです。
日本記録更新2時間04分30秒ターゲットにしたラップタイム
現在の男子マラソンの日本記録は2時間04分56秒です。日本記録更新のためには1km2分57秒、以下のラップタイムで走る必要があります。
1km 2分57秒
5km 14分45秒
10km 29分30秒
15km 44分15秒
20km 59分00秒
25km 1時間13分45秒
30km 1時間28分30秒
35km 1時間43分15秒
40km 1時間58分00秒
(残り2.195km6分20秒で)
ゴール 2時間04分20秒
日本記録更新をターゲットにしたラップタイムは私の期待を込めて設定してみました。現在の日本人ランナーの力を見ると、このラップタイムもクリアできると思います。
東京マラソン2024で日本記録更新は可能か?直近2大会の結果
東京マラソンは高速コースとして知られていますが、直近2大会の結果はどうだったでしょう?
東京マラソン2023の結果
- デソゲル ミサ(エチオピア)2時間05分22秒
- モハメド エサ(エチオピア)2時間05分22秒
- ツェガエ ゲタウェウ(エチオピア)2時間05分25秒
- タイタス キプルト(ケニア)2時間05分32秒
- キャメロン レビンス(カナダ)2時間05分36秒
- デメタドゥ アバテ(エチオピア)2時間05分38秒
- 山下 一貴(三菱重工)2時間05分51秒
- 其田 健也(JR東日本)2時間05分59秒
- 大迫 傑(Nike)2時間06分13秒
東京マラソン2022(2021)の結果
- エリウド キプチョゲ (ケニア)2時間02分40秒(コースレコード)
- アモス キプルト(ケニア)2時間03分13秒
- タミラト トラ (エチオピア)2時間04分14秒
- 鈴木 健吾(富士通)2時間05分28秒
- シュラ キタタ (エチオピア)2時間06分12秒
- ラバン コリル (ケニア)2時間06分37秒
- 其田 健也(JR東日本)2時間07分23秒
- 湯澤 舜(SGホールディングス) 2時間07分31秒
- 聞谷 賢人(トヨタ紡織) 2時間07分55秒
直近2大会では2時間04分、05分台で走る日本人ランナーが出ています。海外のランナーは2時間05分がスタンダードになりつつあり、驚きです。
日本人ランナーも2時間05分台が当たり前になってくると、世界大会での入賞、あるいはメダル獲得も近づくでしょう。
直近2大会の結果を見ると2時間05分台で走るランナーが数人出てきそうです。そして、今大会で設定タイムの2時間05分50秒を破るランナーは複数人出るのではないかと予想できます。
さらに、大阪国際女子マラソンで前田穂南選手(天満屋)が日本記録を更新したことも刺激になっていると思います。
ペースメーカーの設定タイムが超重要
記録更新に必須なペースメーカー。
ペース設定をどの記録に合わせるかが注目されます。2時間01分台を狙った世界記録ペース、2時間04分台を狙った日本記録ペースなど複数のペース設定になると思われます。
世界レベルにスタートから付いていき、後半粘るレースをするのか、
日本記録レベルのペースで落ち着いてレースをするか、
の「選択」が日本記録更新の最初の難関かもしれません。
練習が積めたランナー、調子が良いランナーはスタートからハイペースで走るかもしれません。
前世界記録保持者エリウド・キプチョゲが東京マラソン2024に参戦
マラソンファンならご存じのエリウド・キプチョゲ選手。前世界記録保持者でリオオリンピック、東京オリンピックの男子マラソン金メダリストです。世界最速・最強のランナーが東京を再び走ります。これは楽しみです!
スポニチより
キプチョゲ選手の実績は他にもあり、2時間01分台で初めて走ったランナー、非公認コースで1時間59分40秒で走ったランナーです。近年の男子マラソン界のレベルをグッと上げました。
おまけにオリンピック2連覇中。まさしく英雄です。そんなキプチョゲ選手の走りを東京で見られるなんて・・・。当日はキプチョゲ選手目当てに現地観戦をしたいと思っています。
そして、さらに驚きなのが現在39歳であること。ということは、30歳過ぎてから世界記録更新、金メダル獲得を成し遂げたということです。キプチョゲ選手の走りは同年代の私の励みにもなっています。
東京マラソン2024の注目選手
日本記録保持者・鈴木 健吾(富士通)
日刊スポーツより
日本記録保持者かつ東京マラソン日本人コースレコード保持者です。MGCでは途中棄権でした。
この東京マラソン2024で自身の日本記録更新を狙ってくると思います。
前々回の東京マラソンでは2時間05分28秒で走っているので、東京マラソンに対してよいイメージがあると思います(MGCの苦い記憶は置いておきましょう)。
駅伝・マラソンファンの方は、神奈川大学のエースという印象もあるのではないでしょうか?箱根駅伝では花の2区区間賞を獲得しており、神奈川大学の上位進出に貢献しました。
大学生の頃からロードに強いランナーで、とにかくたくさん走り込んで足を作っていくスタイルが私は好きです。
日本記録を出した時は35kmから世界レベルのラップタイムを刻みました。日本記録を更新するために後半のペースアップが期待できるランナーです。
昨年ブレイクの山下 一貴(三菱重工)と其田 健也(JR東日本)
山下一貴は昨年の東京マラソン2023で2時間05分51秒を記録。
スポーツ報知より
ブダペスト世界選手権に出場し、40kmまで入賞圏内の5位を走っていましたが、足の痙攣を起こして12位でした。
世界選手権のレースでは、先頭に出たり、後半に先頭集団を猛追したり、見せ場を多く作り走りをしました。
昨年の東京マラソン2023のいいイメージがあると思いますので、期待大です。
そして、其田健也選手も東京マラソン2023で2時間05分59秒を記録。
日刊スポーツより
山下選手と共にブダペスト世界選手権に出場しました(結果は35位)。其田選手は東京マラソンとの相性が抜群にイイです。2022年も2時間07分23秒でした。
ブダペスト世界選手権に出場した山下と其田に共通していることは大学長距離界の名門・駒澤大学の卒業生であることです。
東京オリンピックには同大学の卒業生、中村匠吾選手(富士通)が出場しました。
恐るべき駒澤大学の強化力。大八木弘明総監督は間違いなくマラソン界を変えた名将ですね。
初マラソンブレイクコンビの西山 和弥(トヨタ自動車)と池田 耀平(Kao)
昨年大阪マラソンで初マラソン記録を樹立した西山和弥選手と池田耀平選手。鮮烈なマラソンデビューでした。
2時間06分45秒の初マラソン日本新記録保持者である西山和弥は東洋大学でも活躍したランナーとして知っている人も多いと思います。私と同郷の選手として期待しています。
スポニチより
足運びがとてもキレイなランナーです。好不調の波があるのが気になりますが、調子がハマった時はメチャクチャ強いです。
池田耀平選手に期待するのは反骨心です。
毎日新聞より
日本体育大学時代は、学内では記録を残していましたが、目立った活躍はありませんでした。しかし、ニューイヤー駅伝2023でエース区間の第4区で区間賞を獲得。10人抜きを見せ、チーム名が「カネボウ」から「Kao」に変わったことを印象付ける走りを見せました。
私はこの時の池田選手の走りに魂を感じました。エリートランナーに負けないという強い反骨心を。そして昨年初マラソンで2時間06分台。東京マラソン2024でさらにブレイクをする予感がします。
※池田選手はケガのため欠場することが発表されました。残念ですが、次のチャンスに期待しましょう。
実力のあるランナーが他にも出場!女子では新谷仁美(積水化学)が出場!
その他にも、
- 小椋 裕介(ヤクルト)
- 定方 俊樹(三菱重工)
- 菊地 賢人(東京メイクス陸上部)
- 木村 慎(Honda)
- 作田 将希(JR東日本)
- 西山 雄介(トヨタ自動車)
- 横田 俊吾(JR東日本)
- 浦野 雄平(富士通)
- 柏 優吾(コニカミノルタ)
- 服部 勇馬(トヨタ自動車)東京オリンピック代表 など
MGCレベルのランナーが出場します。ハイレベルなレースになりそうですね!
女子では新谷仁美選手(積水化学)が出場します。女子は今回の東京マラソン2024はMGCファイナルチャレンジではないのでオリンピックは関係ありませんが、前田穂南選手(天満屋)が記録した日本記録をさらに更新するかもしれません。
見どころ盛りだくさんです!
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