【教員歴15年】教えるって難しい? 子育て、教育に役立つ!教えるコツ

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教える
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教えるのは難しい・・・

「なぜ教えたのにわからないんだろう・・・」

「何回も同じことを教えている・・・」

「うまく伝わっていないな・・・」

教えることを難しいと感じている人は少なくありません。

教えることが日常にある人は、大きな悩みになることもあります。

 

教えるコツがあります。

 

私は小学校の教員を15年間勤めました。

その経験から得た教えるコツは、学校教育にはもちろんのこと、

子育てや社会人教育にも応用できます。

 

当記事では、

子育てに悩む方や、会社での新人教育や部下の教育に悩む方、そして教員の方に

教えるコツを解説していきます。

 

教えるコツは4つ、

  • 「教える事の明確化」
  • 「スモールステップ」
  • 「教える順序」
  • 「復習・確認」

です。

 

以前の記事で、

「教えること」と「育てること」の違いについて解説しています。

 

今回は「教えること」=ティーチングに焦点をしぼって解説します。

 

教える事

教える事を明確にしよう!

何かを人に教える時、一番大切なのは、

「教える事を明確にすること」です。

 

できていそうで、できていない人は多いです。

 

よくある失敗に、

  • いろいろと教えた結果、相手を混乱させた。
  • 何を教えたいのかわからず、相手が困っている。
  • 教える順番を間違え、混乱させてしまった。

これらは教える事が明確になっていないために起こります。

 

こういった失敗に陥らないために、

「だれに、何を、どのように教えるか?」

を明確にしましょう。

 

例えば、

①小学生にかけ算を算数の授業で教える。

②子どもに言葉(リンゴ)を家で教える。

③部下に機械の使い方を機械室で教える。

などです。(これらの例は以下にも使います)

 

すると、

  • 1人に教えるのか?複数人に教えるのか?
  • 広い場所か?狭い場所か?
  • 実物を使って教えられるか?動画を見せて教えられるか?
  • 座学で教えるのか?実技で教えるのか?

といった、教える場面を想像できるようになります

 

先の例で見ると、

①は、学校の授業である。相手は複数人いる

②は、親が子ども一人にマンツーマンで教える

③は、教える相手が一人か、複数人なのかわからない。

会議室ではなく、機械が目の前にある。

どんな状況で教えるかが浮かぶと、教える方法を考えやすくなります。

 

スモールステップで教える事をさらにはっきりと!

スモールステップ

スモールステップという言葉を知っていますか?

スモールステップとは、最終的な目標達成までに必要なステップを細かく設定し、一つずつ着実に達成していくことで目標にたどり着く手法です。特に、大きな目標や課題を達成したいときにおすすめの考え方です。

スモールステップとは? 期待できる効果や保育における実践のポイントを解説 | 東京で保育士・幼稚園教諭をめざす|日本児童教育専門学校 (jje.ac.jp)

「だれに、何を、どのように教えるか?」

を、さらに細かくしましょう。

スモールステップを作っていきます。

 

先の例でスモールステップを作ると…

①小学生にかけ算を算数の授業で教える。

  • かけ算の意味を教える
  • かけられる数 と かける数 を教える
  • たし算の学習を発展させて教える
  • 九九の良さを教える 

②子どもに言葉(リンゴ)を家で教える。

  • 言葉(リンゴ)の読み方を教える
  • 言葉(リンゴ)の意味を教える
  • 言葉(リンゴ)の書き方を教える
  • 言葉(リンゴ)の遣い方を教える

③部下に機械の使い方を機械室で教える。

  • 部下に機械の使い方を教える
  • ボタンなどの位置を教える
  • 機械の性能を教える
  • 機械を使う時間を教える
  • 注意点を教える

教える事を細かくすると、

教える事がさらにはっきりします。

相手が理解できそうなことが見えてきます。

教える順序が見えてきます。

 

教える準備が整ってきました。

 

教える順序

教える

教える順序はとても大事です。

教える順序を間違えると、相手を混乱させます。

基本的には以下の2つに注意して教える順序を考えましょう。

重要な事から教える

教える時に省略してはいけない事があります。

それを教えなかったら、相手が絶対につまずいてしまう事です。

つまり、重要な事から教えます。

 

数を知らない人に、数の並びを教える時、

0のつぎに2を教える人はいないと思います。

1を必ず教えます。

1を教えないと、2にはいけません。

10を教えないと、100を教えるのも難しいです。

 

①のかけ算の例ですと、

たし算を理解していないと、

かけ算のかけられる数とかける数を理解することが難しくなります。

そもそも、数の増え方すら理解できません。

③の機械の使い方を教える例ならば、

安全な使い方や危険な使い方を先に教えなければ、

ケガをする可能性がでてきます。

もし操作を誤ってケガをしたら、

機械にトラウマが生まれ、機械を使う意欲を無くす可能性があります。

 

重要な事をはじめに教えなければ、

相手が混乱し、

取り返しのつかないことになります。

だから、教える順序を考える時には、

重要な事は何か?を考える習慣をつけましょう。

 

簡単な事から教える

いきなり難しい事を教えると、相手は理解できません。

簡単な事から教えましょう。

 

教える相手は、簡単な事を理解するだけでも、

理解した喜びを感じます。

もっと理解したい!もっと知りたい!

という意欲も湧いてきます。

教える相手の喜びや意欲はものすごく大事です。

 

そして、

理解する喜びやもっと知りたい意欲が湧いている時に、

少し難しい事を教えます。

これがスモールステップを活かした教える順序です。

 

これを続けていくことで、

教える人と学ぶ人どの間によい関係ができ、

教える・学ぶのよいリズムが生まれてきます。

 

よくある失敗は、

簡単な事を

「知っているだろう……」

「わかっているだろう……」

と思って教えずにいると、

「実はわかっていなかった……」

ということです。

 

そうなると、

相手の学ぶ意欲をそぐことにもなりかねません。

こちらの教える意欲も無くなってきます。

 

いきなり難しい事を教えるのではなく、

スモールステップを意識して教えましょう。

 

教える方法

教える

教える方法はいくつもある!

教える事、教える順序が決まったら、教える方法を考えます。

教える方法としては、

  • 何かに書いて教える
  • 図やイラストを使って教える
  • 指をさして教える
  • 話して教える
  • 実演を見せて教える
  • 書籍などを見せて教える
  • 動画などを見せて教える
  • 一緒にやりながら教える

などがあります。

ここにある以外の方法もまだまだあります。

 

教える方法の引き出しが多い人は、教え上手な人です。

教員や指導者のベテランは、

教える方法をたくさんもっているがゆえに、

教え上手です。

教える方法を相手に合わせて組み合わせる

1つの方法で教えるのではなく、

複数の方法を組み合わせるとより効果的です。

 

①のかけ算の例ならば、

  • 教室に複数人いることを想定。
  • 黒板やスクリーンにイラストなどを映し、かけ算の意味を教える。
  • 九九を自分が言った後に、復唱させる。
  • 多人数に教える方法を考えていく

②の言葉を教える例ならば、

  • 自分の子ども一人に教えると想定。
  • 言葉(リンゴ)に合うイラストを見せて意味を教える。
  • 実物を見せて言葉(リンゴ)を教える。
  • 一緒に言葉(リンゴ)と言う。
  • 言葉(リンゴ)の書き方を実演して見せる。
  • マンツーマンで教える方法を考えていく

教える方法がたくさんあると、

相手の状況(人数や場所など)や理解度に合わせて、

教える方法を選択したり、

教える方法を変えたり、

教える方法を組み合わせたり

できます。

教えた事を確実に理解させるために

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線をご存じでしょうか?

下の図がそれです。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線

「エビングハウスの忘却曲線|進学塾、学習塾、中学、高校、大学受験、代々木進学ゼミナール (yoshin-zemi.com)」より引用

教えた翌日には74%忘れてしまいます。

1回だけ教えただけで、相手が理解することは残念ながらほとんどありません。

 

だから、

  • くり返し教える(復習させる)
  • 教えた事を確認する

必要があります。

教えた事を復習・確認する

相手が確実に教えた事を理解するためには、

教えた事を復習させ、確認することが大切です。

復習と確認のポイントは2つ

  • 時間を空ける
  • ちょいプラ

です。

時間を空けて復習・確認させる

エビングハウスの忘却曲線は、

復習・確認するタイミングも教えてくれています。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線

「画像の引用元は同上」

タイミングよく復習させると、

教えた事が効率よく定着します。

何回も復習すると、確実に定着します。

  • 朝、教えた事をその日の夜に復習・確認する
  • 昨日教えた事を今日確認する
  • 教えた1週間後に復習・確認する

など、時間を空けて復習・確認をさせましょう。

ちょいプラで教える

復習・確認をさせる時、

教えた事にちょいプラして教えることもポイントです。

(ちょいプラ→ちょっとプラス)

②の言葉(リンゴ)を教える例ならば、

(リンゴの実物を見せて)

  • これは何だっけ?
  • リンゴは何色かな?
  • リンゴはどんな形かな?

などと復習・確認をします。

  • リンゴは何に似ているかな?
  • リンゴのお友達は何だろう?

と、別の言葉を教える方に仕向けていき、

ちょいプラして新しい言葉を教えていきます。

③の機械を教える例ならば、

  • この前教えた事で重要な事は何?
  • 〇〇のボタンはどこにある?

などと復習・確認。

  • この機械には別の機能があるから、それを教えます。

と、ちょいプラして新しい事を教えます。

ちょいプラすると、

復習・確認をさせながら、

教えた事がどんどんつながっていきます。

 

また、スモールステップを踏んでいるので、

教えられた相手は階段を一段一段上るように、

成長を実感しやすくなります。

 

教員時代の私は授業の冒頭で、必ず復習・確認をする時間を設けました。

そもそも学校のカリキュラムは教える順序がすでに明確になっています。

だから、前回の学習が今回の学習につながり、

今回の学習が次の学習につながります。

復習・確認が大事でした。

授業以外にも、

朝の会で伝えた事を、帰りの会で復習・確認しました。

(エビングハウスの忘却曲線は間違っていないと、よく実感しました・・・)

さらに帰りの会では、朝の会で教えた事にプラスして、

新しい事を教えていました。

こうすることで、

子どもたちは教えられた事に対する理解を深めることができました。

教えっぱなしになるのではなく、

教える相手の立場になって、

復習・確認をする時間を作りましょう。

まとめ 教えることは二度学ぶ

教えるコツは4つ、

  • 「教える事の明確化」
  • 「スモールステップ」
  • 「教える順序」
  • 「復習・確認」

です。

 

最後に、

教えるためには学ぶ必要があります。

「教えることは二度学ぶ」

という言葉を私は教員時代に大切にしていました。

 

「教える立場にある人は常に学び、しっかり理解した上で、教える。」

「そして、教えたことは再び自分の学びとなる」

そういうふうに捉えていました。

 

教える事があったら、

教える事をまずは自分がしっかり理解しましょう。

そして、当記事の教えるコツを参考にしていただければと思います。

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